ダイミョウセセリの地理的変異

 
 朝方は11℃、ジロジリと焼けつくような陽射しで3日続きの夏日となり、最高気温は今季一番の29℃に達しました。



 ダイミョウセセリ(セセリチョウ科チャマダラセセリ亜科)の生息域は九州から北海道の一部まで広がっていますが、後翅表の紋様により関東型と関西型に分けられています。
  関東型:後翅表に白斑がないか1対程度。
  関西型:後翅表の白斑が帯状に連なっている。

 その境界は若狭湾東部と伊勢湾西部付近を結ぶラインだそうですが、このラインの具体的な場所は承知していません。
 地理感覚はないも同然の私ですが、この場合の境界は山地と考えられ、北の伊吹山系から関が原を経て鈴鹿山系、布引山系、朝熊(あさま)山系と続くラインとなりそうです。南の鈴鹿山系から関が原を経て伊吹山系のラインではないかと思っています。

 blog.mcnj」のmcnj さんに教えていただきました。ありがとうございます。(2017/5/22追記)

 当地は一部が三重県に接していてもそのラインからは西側で、関西型の地域に当たりますが、実際に見かけるダイミョウセセリの後翅表の斑紋は、関東型に近いものから関西型に近いものまで様々です。

 今季5/7のお初から本日までのダイミョウセセリを以下に掲載しますが、斑紋の形状などにより同一個体と思われるものはあらかじめ除いています。
 また、ほとんどが占有行動(テリ張り)中の♂で、特に場所の記載がない場合、ジャノメ・ポイント南外側のワラビ畑で見かけたものです。


[関東型若しくはそれに近い個体]
 
E-01(2017/5/7)
ダイミョウセセリ
 今季お初の個体です。
 典型的な関東型ですね。
 
E-02(2017/5/16)
ダイミョウセセリ
 庭でカラスの糞を吸汁していた個体で、吸い戻し行動を確認しています。
 やはり関東型ですね。
 
E-03(2017/5/16)
ダイミョウセセリ
 すぐ上と同日でよく似ていますが、かなり離れているので別個体としました。
 これも関東型ですね。

 昨季までこれらのような関東型と思われる個体は見かけなかったと記憶していますが、今季見られるような要因に思い当たることはありません。


[関西型若しくはそれに近い個体]
 
W-01(2017/5/12)
ダイミョウセセリ
 後翅表の白斑が小さく薄いですが、一応帯状になっています。
 左前翅後縁部の縦型の傷が識別点です。
 
W-02(2017/5/14)
ダイミョウセセリ
 後翅表の白斑の大きさにかなりバラつきがあります。
 
W-03(2017/5/15)
ダイミョウセセリ
 後翅表の白斑が小さい個体です。
 
W-04(2017/5/18)
ダイミョウセセリ
 後翅表の白斑は薄いですが帯状になっていて、腹部も少し白くなっています。
 左後翅の割れが識別点です。
 
W-05(2017/5/18)
ダイミョウセセリ
 後翅表の白斑は薄いですが帯状になっています。
 
W-06(2017/5/20)
ダイミョウセセリ
 W-02によく似ていますが前翅表の白斑の形状が異なっています。
 ただ、開翅の度合いにより前翅表の白斑の形状は変わってくるので、確かとは言い切れません。

 当地は関西型のエリア内のハズですが、クッキリした白斑が帯状に連なっている典型的な関西型はほとんど見かけた記憶がありません。


[上のいずれでもない中間型とも言うべき個体]
 
M-01(2017/5/12)
ダイミョウセセリ
 後翅表の白斑は一応2対です。
 
M-02(2017/5/16)
ダイミョウセセリ
 後翅表の白斑を3対と見るか1対と見るか難しいところです。
 
M-03(2017/5/16)
ダイミョウセセリ
 関西型に近い個体と分類してもよさそうですね。
 
M-04(2017/5/17)
ダイミョウセセリ
 左前翅外縁部のくの字型の傷が識別点です。
 
M-05(2017/5/20)
ダイミョウセセリ
 これも関西型に近い個体と分類してもよさそうですね。
 
M-06(2017/5/20)
ダイミョウセセリ
 自身でもどう分類したのか分からなくなってきました。(^^ゞ


 過去に産卵中の♀を確認したことがありますが、その個体はまぁ関西型と言える個体でしたが、それ以外には♀と確認できた個体はなかったと記憶しています。


 いずれにしても、これだけ関東型に近い個体や関西型に近い個体が並存している当地は、中間地域と位置づけてよさそうです。
 ご意見をお聞かせください。
 
 
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タグ: セセリチョウ科 

Comment

No:9251|
色々な昆虫で地方型が知られていますが、uke-enさんの写真を見させていただくと両タイプが混生していることは明らかです。蝶は翅があるのですから何処かに境界を設けると境界上に近い地域では、こういう現象が起きるのは必然のように思われます。そこで。。

(A)ダイミョウの場合は何処かに境界を設けるのはそもそも無理がある
(B)どうしても境界を決めるとするなら「若狭湾東部と伊勢湾西部付近を結ぶライン」を変更する。
(C)新たに「中間地域」を設けることを提唱して、これを「uke-enライン」と呼ぶことにする。

のいずれかを選択する必要があります。私は(C)説を支持します。
No:9252|適者生存説
ここ数年気温が高い埼玉県内で、
昨年関西型に近いダイミョウセセリを見つけた
こと
台湾ではコウトウシロシタセセリと見まがうよう
な後翅の白いダイミョウセセリが生息しているこ
とより
高温地域では黒色の強い個体は太陽熱を吸収しや
すく生息しにくいので、適者生存による遺伝的淘
汰ではと愚考しました。
No:9253|clossiana さん
uke-enライン説はとってもとっても魅力的ですが、栄誉を独り占めするのは気が引けますので、uke-en・clossianaラインはいかがでしょうか。^O^

それはそれとして、遠く離れた島や高峰で境界を決めたならともかく、鈴鹿山系は御在所岳の1209m、伊吹山系は伊吹山の1377mがそれぞれ最高峰であり、関が原は笹尾山の石田光成の陣地が190m辺りですから、そういう場所での境界設定はそもそも無理だと思います。

誰がどのくらいのサンプル数で決定したのか承知していませんが、南へ行くほど白帯が明瞭かつ太くなっていることから、変異の度合いは徐々に変化していると見るのが正しいように思っています。
No:9254|ヒメオオさん
進化論はダーウィンの時代からも大きな変遷をとげていて、遺伝子中心になっているようですが、教科書ではどう教えられているのでしょうね。

適者生存説は塗り替えられたものの、やはりそうなんだろうなと思わせるものがありますので、uke-en・clossiana・ヒメオオラインではいかがでしょうか。(^-^)v

温暖化が進行すると、アルビノ・ダイミョウセセリも見られるかも知れませんね。雲母坂の氷女(京都妖怪地図)のように400歳くらいまで生きればいいのでしょうか。

一方で2030年には第三氷河期が訪れるという説もあり、そうなるとチョウも全て黒くなってしまうのでしょうか。
当然、シロチョウ科なんてものは変更されますよね。折角覚えたのに・・・(^^ゞ
No:9255|
uke-enさん、こんにちは。
「ねこっちー!」にお越しいただき
コメントまで残してくださって
ありがとうございました。
「うっかりサナギ転落事件」も事なきを得、
uke-enさんとみさと64さんのご訪問により
ブログの正確性と品格がぐぐっとあがりました!
これからもご指導、ご鞭撻のほど
どうぞ宜しくお願いします。

ダイミョウセセリって
関東・関西があるんですか?
以前、岐阜の花フェスタ公園で見かけたのは
後ろの羽根に微妙にうっすら白い線が入っていました。
中間型かしら?
またいつかチョウチョウさんの写真を集めた記事を
載せようと思うのでその時はぜひ宜しくお願いします。

  mimiさんはuke-enさんに
  名前を教えてもらおうと思ってるの。 ソラ

  自分で調べる努力を怠ってるにゃ  ぎん

  ふふふ
  uke-enさんは
  歩く蝶々図鑑さんですからね♪  mimi


No:9256|mimi さん
>ブログの正確性と品格がぐぐっとあがりました
皆さん、お聞きになられましたか。私がコメントさせていただくと、正確性はともかく、品格!が品格!が品格!があがるんですよ。
どなたからも、そんなことをおっしゃられたことはないなぁ・・・^^;

岐阜県のダイミョウセセリでも、おっしゃるように、薄いラインが見えるものもいるようですね。典型的な関西型は、白斑のつながりじゃなく帯状にしか見えないようなものまであります。

キアゲハの落下した(落とした)蛹でも手を差しのべて何とか助けてあげたいとのお気持ちは、大切ですよね。みんな懸命に生きてるのですから。
No:9257|ダイミョウセセリ
お早うございます。

みさと64さんから、関東型という関西型の分布限界は、敦賀湾東部と、伊勢湾岸西部を結ぶせんだとおしえていただきました。いただきました。。
単純にこれで考えると敦賀ー長浜ー御在所ー津と言うことになり、四日市は、関東型ということになりますが、しぜんかいですから、
地図上の直線ではなく、おっしゃる通り、山脈の連続でしょうね。

そう考えますと、日本海、伊吹山地、鈴鹿山脈、布引山地、志摩半島の尾根のラインが分布限界と考えられます。
もっと具体的には、太平洋岸の、伊勢湾岸水域と、大阪湾水域の、分水嶺になると思われます。
No:9258|mcnj さん
ありがとうございます。不十分ながら早速追記しておきました。

久居も青山も出かけたことは一度や二度でないのに、そんな山地を形成しているとは思いませんでした。鈴鹿山脈は伊勢湾まで続いているという感覚です。(^^ゞ

志摩半島の尾根のラインというと中央構造線の一部になるようですが、東へ曲がっているというのがイメージできにくいですね。
水系となると、もうさっぱり分かりません。
No:9259|
こんばんわー

蝶素人の私には「何が何だか…」ですよ。
ですから、関東型と関西型、それに中間型の
存在が有るのか…レベルです。
我が屋庭にも、度々、遊びにきますが、飛び回る
だけで停止してくれず撮影出来てません。
でも、近いうちに、撮影して比較してみたいです。
No:9260|
こんばんは。
里山論争の後には、東西論争ですか? 悩みは尽きませんねぇ〜
まぁなんというか、uke-enさんはどっちつかずの場所にお住まいで、
お悩みも満載ってことでしょうか・・・
「里山」に関しては、我が家近辺には両種が生息していますから悩まされますが、
「東西」に関しては、JR東日本やNTT東日本のお世話になってますから、
文句なしで「東」に軍杯が上がります。
それよりも悩み多きは白い蝶、「ヤマトvsスジグロ」ですね。
これには毎度悩まされっぱなし。
面倒なので、近頃は庭にいても見て見ぬ振りしてますが・・・

今年撮影のダイミョウセセリでの比較ということですが、
Eさんも、Wさんも、Mさんも、こんなにたくさん比較対象があるってことに、
わたしは驚いています。
我が家訪問は、過去にたったの一度きり・・・
関東型だと威張ってましたが、1頭だけでは心細くなってきました。
このように数頭並べてから、ドヤ顔しないといけませんねぇ〜

宗旨替えされて心優しくなられたとはいえ、
「やはりそうなんだろうなと思わせるもの」が、JR東日本やNTT東日本じゃあ、
「みさとライン」は、お仲間に入れてはもらえないのでしょうね。
No:9261|kucchan さん
そちらで見られるダイミョウセセリは、後翅表に白いものの欠片すらなかったように記憶しています。
個体差はあっても薄い白斑が一対だと思いますよ。

できれば何頭か撮影して掲載してくださいね。
No:9263|みさとさん
私は心が広いですから、ライン名に入れて欲しいとのご意向ならどんどん受け入れますよ。
ついでに、この方も入れておきましょう。

uke-en・clossiana・ヒメオオ・寿限無 寿限無 五劫の擦り切れ 海砂利水魚の 水行末 雲来末 風来末 食う寝る処に住む処 藪ら柑子の藪柑子 パイポパイポ パイポのシューリンガン シューリンガンのグーリンダイ グーリンダイのポンポコピーのポンポコナーの長久命の長助・mcnj・みさとライン

これだとライン名を何回か書くだけで、800字規制なんかなんのそのですね。論文や学会発表でも文字数や時間が稼げるので、研究者の方も喜ばれるのじゃ・・・(^-^)v

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